2022年4月のステートメント

呼びかけ人・北原みのり

 

3年前の今日、2019年4月11日にフラワーデモははじまりました。

あいついだ性暴力無罪判決にいてもたってもいられない人々が、東京と大阪、それぞれに集まったのです。東京の行幸通りには600人近くが集い、その多くは女性でした。

寒い春の夜でしたが、あの晩「私たち」は、もう一歩も後戻りできないような、強く熱い気持ちに突き動かされました。

こんな話をしてくれた人がいました。

「これまで1度もデモに参加したことはありませんでした。今日、ここに来るのもとても怖い気持ちでした。でも、来なくてはいけないと思いました。だって、この社会で女性として生きてたら、どんな目にあうか、私たち、みんな知ってますよね?」

 みんなが真剣に彼女の話に耳を傾けるなか、彼女は自分の話を語りはじめました。そして終わった後に、少し驚いた顔をした彼女が言ったことが私は忘れられません。

「ああ話してみたら、怖くないですね。怖くなくなりましたね」

 これまでずっと閉ざされてきた、重く厚い扉が開いたのを感じました。怒りと悔しさと悲しみ突き動かされるように、その場にいた多くの女性たちが「私も話します」とマイクを持ち、自分の話を語り出したのです。

 誰も予想しなかった方法で、自分ですら「話すつもりもなかった」話を、誰に言っても仕方ないと諦めてきた過去を、私たちは語らずにはいられなくなったのです。尊厳を奪われる痛み、人生を中断させるような暴力を語らずにはいられなくなったのです。

あの日から今日まで、私たちは一度も休むことなく毎月11日に全国で声をあげ続けてきました。この3年でフラワーデモの全国のつながりはますます強くなっています。被害者支援、裁判の支援、政治家へのロビー活動など、性暴力根絶のための運動を、それぞれの地域で発展させてきました。そして一審で無罪判決が確定した一件をのぞき、フラワーデモのきっかけとなった無罪判決は全て逆転有罪が確定しました。声をあげれば変えられる、という現実を、私たちは私たちの声によって確信することができたのです。


性被害者はずっと怯え続けてきました。

被害を受けた側なのに自分を責め、周囲の目や声に怯えていました。声をあげても、無駄なのではないかと怯えさせられてきました。声をあげたら、さらに恐ろしいことが起きるのではないかと、怯えさせせられました。

でも、もう怯えたくはないのです。私たちが、怯える必要など、ないのです。

そう私たち自身が強く信じて#MeTooの声に絶対に寄り添い、そして私たちが#MeTooの声を安心してあげられる場所をつくってきたのです。

諦めるわけにはいかない痛みを、なかったことにはできない過去を、私たちは告発します。

そして怯える必要のない社会を、本当につくっていきたいのです。

そのことを宣言し、2022年の新たなフラワーデモの声をあげます。

性暴力のない世界へ、性差別のない世界へ、もうこれ以上私たちが怯えないために。

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