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法制審議会委員の任期を終えて~これからも、性暴力のない社会の実現のために~


 

刑法性犯罪改正を議論する法務省の法制審議会に、委員として参加してきました一般社団法人Spring幹事の山本潤です。

 今月2月3日に、「同意しない意思」を表明することなどが難しい場合も加害者を処罰できるとする刑法改正の要綱案がまとまりました。

 この法律案が国会で成立すれば、明治時代の116年前に定められた「暴行・脅迫」「抗拒不能・心神喪失」が要件となる現行の規定から、大きく前進することになると思います。

 今から4年前の2019年に起こった4件の性犯罪無罪判決後から、性暴力に反対する意思を示し、被害者に寄り添う気持ちを持ち、フラワーデモに参加してくださった皆様の活動なくしては、刑法性犯罪規定に「同意」の文言が入ることはなかったと思います。

 自らの辛い経験をお話しくださった被害者の方々、話を聞いて声を上げてくださった皆様のご尽力が、大きな後押しとなりました。心から感謝申し上げます。

 順調にいけば今年の国会で、刑法性犯罪改正が成立すると思われます。

 性的保護年齢が16歳未満に引き上げられたこと、モノの挿入もレイプと定義されるようになったこと、配偶者等も含まれることが明記されること、性的グルーミング罪の成立など、性暴力の実態を踏まえた改正案が示されました。今回の法案がまず、成立することを心より願っています。

 今回の改正案では被害者に「アルコールまたは薬物を摂取させること」「恐怖、驚愕させること」「経済的、社会的地位の利用」など8つの行為があり、「同意しない意思」を表明することなどが難しい場合に、処罰されることが示されました。しかし、裁判の場で、何が「同意しない意思」とされるのかもまだよく見えないところもあります。

 

 レイプと被害者・加害者に関する偏見に満ちたステレオタイプ的で間違った信念がはびっているなかで、性的同意に対して正しい判断が下されるのかについては、今後も見守っていく必要があると考えています。

 性暴力被害者は、最終決定権が自分にあるはずの心身の支配権を奪われ、意思ある人間として扱われず、相手の意向次第で殺されるかもしれない、もっと酷いことが起こるかもしれないという自分の未来が予測できな状態に陥れられ、人間としての尊厳を奪われ、人生も損なわれてきました。生きていくのが難しくなり、被害者の自殺や自殺企図は2.5倍~8倍になるほど深く傷つけられのにもかかわらず、抵抗が不十分だと言われたり、同意の上だったのではないかと言われ続けてきました。

 被害者の訴えが聞かれず、性暴力を行った加害者が処罰されないことで、性暴力が不処罰の文化となり、日本社会では性暴力がよくあることで、仕方がないことになってしまってきたと私は思います。

 しかし、本人の同意のない性的行為は性暴力であり、決してあってはならないことです。

 その認識を共有し、本人の同意のない性的行為為は許されないことだということについてを、社会一般にも理解を深めていただければと思います。

 

 4件の性犯罪無罪判決に声を上げたフラワーデモの活動が今回の法改正につながっているように、この改正が、性暴力の不処罰の文化を終わらせ、性暴力のない社会が実現できるるよう、これからも皆様と一緒に取り組んでいければと思います。



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